2020年4月26日 谷国定神父メッセージ

大宮教会の皆様

いかがお過ごしでしょうか。

新型コロナウイルス感染症拡大が続いているため、灰の水曜日から、私たちの教区を含めて、多くの教区は公開ミサを中止することにしました。ミサ中止ということはキリスト者である私たちにとって、とても寂しいことでしょう。日常生活の中で、いろいろな人々に出会ったり、たくさんの出来事が起こったりすることで、私たちの考えと感情がある程度変わるのではないでしょうか。どんなことがあっても、日曜日のミサに与れば、イエス様からの力と恵みをいただいて、新しい週間をスタートすることを考える方々が少なくないと思います。

昨日、さいたま教区本部から新型コロナウイルス感染拡大に対する対応のお知らせが届きました。今回のお知らせは第七次のものです。前回のものと違って、このお知らせの中に、ミサ中止(5月30日まで)だけではなく、教区の多くの予定中止や新型コロナ緊急募金(カリタスジャパン)開始や司教の励ましのメッセージもあります。

ミサ中止の延長というお知らせを耳にしたときに、熱心な皆さんは「また、ミサ中止の延長か」とか、「寂しいですね」とか、「ご聖体をいただけない」とか、「一日も早くミサに与りたい」と思っていらっしゃるかもしれません。その思いは私たちだけでなく、他の小教区の人々と全世界のカトリック信者にとって、現在の共通のものだと思います。毎日、マスコミを通して、新型コロナウイルス感染拡大が続いて、たくさんの感染者と死者が出てきたことが分かった私たちは不安の中で日々を過ごしています。

こんな状況の中で、日々の生活をしながら、信仰生活をするのが難しいと考えたことがあるでしょうか。もしかすると、自分の信仰が枯れてしまったり、なくなったりするだろうと心配するかもしれません。しかし、キリスト者の迫害時代を思い出してみれば、私たちは心配する必要がないのです。その時代において、彼らは秘跡を頻繁に受けられませんでしたし、信仰生活の活動を自由にすることも出来ませんでした。しかし、彼らの中から、多数の聖人が出てきました。聖ペトロ岐部と百八十七殉教者は例として挙げられます。

新型コロナウイルス感染拡大で、私たちを含めて、無数の人々の生活が突然変わりました。復活祭メッセージの中で、教皇フランシスコは次のように述べておられます。「たくさんの人にとって、家にとどまることは深く考える機会、忙しい生活から抜け出す機会、家族とゆっくり過ごす機会などとなりました。一方、多くの人が不確実な未来や失業のリスク、この危機がもたらす他の影響を思い煩う時でもあります。」

キリストを信じる私たちにとって、この時は試練の時であり、恵みの時でもあると言えます。この時には、私たちは家族とゆっくり過ごしたり、神との関わりを見つめ直したり、生き方を改めたりすることが出来ます。それゆえ、現在、公開ミサに与れない私たちは信仰生活や神との関わりや共同体との連帯を示すことが出来ないわけではありません。

主日のミサを捧げる度に、私はいつも大宮教会のメンバーである皆さんと高齢でしばらく教会に来られない方々のために祈りを捧げています。共同体の連帯の中で、皆さんにいくつかのことを願っています。

まず、来月の主日のミサに、それぞれのご自宅にいらっしゃる皆さんが午前10時に私と心を合わせてミサを捧げますように。公開ミサができないので、私は自室でミサを捧げます。

5月の主日のミサの意向は次の通りです。
5月3日:新型コロナウイルスに感染した人々と世界的な流行の一日も早い終息のための祈り
5月10日:新型コロナウイルス感染拡大の解決に向け尽力している医療関係者と介護者のための祈り
5月17日:新型コロナウイルスに感染して、亡くなった人々のための祈り
5月24日:大宮教会の皆さんとご家族のための祈り

次に、主日にご聖体を訪問される方へ私からのお願いです。お祈りを終えられましたら、政府の発表された「緊急事態宣言」とさいたま教区の呼びかけに協力しすみやかにご帰宅ください。

それから、5月はマリア様の月と言われているので、できれば毎日ロザリオを一連唱えて、霊的なバラとしてマリア様にささげますように。マリア様の取り次ぎによって、いつくしみ深い神様が民の苦しみを顧み、慰めを与え、世界的な流行を終わらせることを信じながら、共同体と共に祈りを捧げましょう。

どうか、マリア様と大宮教会の守護聖人である聖パウロの取り次ぎによって、神様が新型コロナウイルスのパンデミックの嵐に見舞われている私たちに平和を与え、私たちを守ってくださいますように。
                           2020年4月26日
                           大宮教会主任司祭
                              谷 国定

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